アラフォー人生最高のドラマだと断言します。
アラフォー世代猫田がはまった「カルテッド」。そのカルテッドと同じ坂元裕二氏の脚本、プロデューサーは佐野亜裕美さん、松たか子さんのコンビに松田龍平さんまででている。
これははまらないわけがない、と思って見始めたら、想像以上にはまった。
もう他のドラマがかすんで見えない。過去最高のドラマ記録をあっさりと塗り替えられてしまった。恐るべし「カルテッド」コンビ。
なぜもこんなにアラフォーの心をわしづかみにるるのか、その理由を分析してみた。
理由その1 脚本のテンポ・内容・世界観が秀逸
もはや芸術の域に入っているのではないか?(陶酔)計算されつくした言葉のリズムと空気感。ニヤニヤしながらも深いメッセージ。軽やかに繰り広げられる言葉のやりとりをつつむ空気感の柔らかくそれでいておしゃれなことよ。
「娘3回離婚してるのに?」
「離婚っていうのは自分の人生に嘘をつかなかったって証拠だよ」
「100円拾って使うのは犯罪だけど100回離婚したって犯罪じゃないからね」
(とわ子と娘うたと友人かごめのセリフ)
このテンポと深さ。
芸術なの?(信者)
韻がすごい
清少納言とステップワゴンくらい関係ない。
(シンシン(3番目の元夫)のセリフ)
ナレーションと設定が絶妙
あざとい!
理由その2 世界観のおしゃれが過ぎる
とわ子の自宅、1番目の元夫の店、どれもこれも素敵すぎてため息しかでない。センスがね、もうあふれ出ちゃっているんですよ。これがただのトレンディードラマでこのセットだったら、鼻につきます。それが、ドジで憎めない天然感あふれる主人公たちで彩られることにより、嫌み感がゼロに。
ガパオライスのバジルとナンプラーのように、ものすごくマッチしておしゃれで、無いと成り立たないように(うん無理がある例え)、絶妙なバランスでそれをつくっている。ああいう大人、ああいう世界観の大人になりたい。
今の時代の憧れるトレンドと空気感を見事に打ち出した世界観。個性があって、センスがあって、それでいて自然体。
理由その3 音楽が良い
そしてまた、音楽がいいのよ。何が良いって、まず主題歌。トラックメーカー/MPCプレイヤーであるSTUTSがトラック制作および楽曲プロデュースを担当。KID FRESINOをフィーチャリングに迎え、メイン・ヴォーカルは松たか子が務め、3exes(=3人の元夫)と名乗る岡田将生、角田晃広、松田龍平がコーラス参加している。
毎回、エンディングはその回に呼応した異なるバージョンで音楽も映像も展開される。そのすごさを実感したのは、さえない2番目の元夫を演じる角田晃広が、エンディング映像ではものすごくカッコよく見えちゃったりしている。今まで、ドジでむしろ少しダサいくらいのキャラクター設定をされている主人公たちが、カボチャの馬車で夜を駆け巡るがごとく、めちゃくちゃカッコよく演出されている。音楽と映像のチカラ、マジですごい。
劇伴を担当したのは、音楽シーンの最前線を走る音楽家、坂東祐大。とわ子がリラックスしてとんちんかんなことをやらかすシーンと、シャレオツなシーンの対比が絶妙。高級ホテルのラウンジのように、温度と湿度と音楽と香りをものすごく繊細につくりあげているんだけれど、それを気が付かせないというすご技。
ああ、良いものを見させてもらっていますと、素直に感じられる。
キャストと脚本と音楽とスタイリングと映像が生み出す世界観
そんなこんなで、アラフォー猫田は「大豆田とわ子と3人の元夫」に心をわしづかみにされている。
一度騙されたと思ってアラフォー世代は見てみてほしい。
ああ、あと1回でおわってしまうなんで、悲しすぎる。